DynatraceTips

#78 Dynatrace Perform 2026①:Dynatraceが示す自律運用への新たな方向性について

作成者: 中村(IIMサポートチーム)|Feb 13, 2026 5:45:00 AM

 

皆さまこんにちは、IIMサポートチームです。  
 
このブログではDynatraceのTips等、
気軽に読めて皆さまのお役に立てるようなコンテンツを配信しています。
 
*文中、斜体になっている単語はDynatrace画面上/ドキュメント内で使用される用語となります
 例)ServiceHost など
*青色の色掛部分は操作対象のボタンを表しています

 

 

今回は、Dynatrace Perform 2026がテーマです。
2026年1月26日から1月29日までの4日間、米国ラスベガスでDynatrace最大規模のイベント「Perform 2026」が開催されました。

イベントでは、最新技術の発表やユーザー事例の紹介、技術者とのハンズオンセッションまで、多彩なプログラムが用意され、多くの参加者にとって新しい気づきと学びを得る機会となりました。本記事では、イベントの中でも特に注目度の高かったトピックをDynatrace Perform2026の参加レポートとして、4回に渡ってお届けします。
※定期更新とは異なるスケジュールで公開しています


1.Dynatrace Perform 2026①:Dynatraceが示す自律型運用への新たな方向性について
2.Dynatrace Perform 2026②:Dynatrace Intelligenceを支える基盤と機能について
3.Dynatrace Perform 2026③:Observabilityは“AIの前提”へ ~ 現地で感じた世界の運用トレンド~
4.Dynatrace Perform 2026④:SNOW×Dynatraceが描く未来

 

Dynatraceが示す自律運用への新たな方向性

Perform 2026を通して印象的だったことは、Dynatraceが自律運用(Autonomous Operations)に向けた明確なビジョンを提示していた点です。特にAIに関するセッションはどれも満席で、参加者の関心の高さを強く実感しました。

 

このような会場の熱量は、様々な企業がAIを活用した運用自動化に本格的に取り組み始めていることを示しているように思います。

その中でも注目すべき点は、オブザーバビリティの位置づけの変化です。Dynatraceはオブザーバビリティを「可視化のための仕組み」にとどめず、AIの判断品質を高める「因果データ基盤」として再定義していました。

 

これは、多くの参加者にとって従来の運用の枠組みを見直すきっかけになったのではないかと感じています。

今回、こうした背景のもとで発表されたのが、新コンセプト「Dynatrace Intelligence」です。

 

本記事では、このDynatrace Intelligenceに基づく実践的なユースケースを中心にご紹介します。

 

 

Dynatrace Intelligenceとは

Dynatrace Intelligenceは、決定論的AI(Deterministic AI)とエージェント型AI(Agentic AI)を組み合わせることで、段階的に運用の自律化を実現する「エージェント型運用システム」として発表されました。これにより、AIが根拠ある判断を提供する仕組みが従来よりも一段と強化されています。


また、Dynatrace Intelligenceは、複数のAIコンポーネントを安全に連携させる設計思想を持っており、企業がAIを大規模に活用する際の「信頼性」という課題を解決する基盤としても期待されています。

 

Dynatraceは、これらのAIによる運用プロセスを一貫して実行できる仕組みを整えることで、「AIが推測に頼らず、事実に基づいて判断できる環境づくり」を実現すると説明していました。
Dynatrace Intelligenceの詳細は、次回記事#79にて詳しく解説します。)

 

実用的なユースケース紹介

発表では、Dynatrace Intelligenceを基盤とした具体的なユースケースも紹介されました。ここでは、その中でも現場の実務に直結する2つの事例をご紹介します。

 

ユースケース1:モバイルアプリのクラッシュ調査を自動化

Dynatraceはエンドユーザーの端末、アプリ、バックエンドに至るまでのデータを統合的に可視化しますが、膨大なクラッシュデータを手作業で精査するのは非常に負荷の高い作業です。

課題としては以下のようなものがあります。

 

・    端末の種類が膨大

・    発生するクラッシュの種類も多岐にわたる

・    優先すべき問題の判断が難しい

 

これらに対し、Dynatrace Intelligenceを用いたAIエージェントが次の作業を自動化します。

 

・    すべてのクラッシュダンプを自動解析

・    Dynatrace Grailの関連データを参照し状況を把握

・    根本原因(Root Cause)を特定

・    解決のための推奨アクションを提示

・    必要に応じてコード修正案まで生成

 

これにより、開発チームは大量のクラッシュレポートに振り回されることなく、重要な問題に集中できるようになります。

 

ユースケース2:新たな脅威への対応を自動化する

もう1つの例として紹介されたのが、セキュリティ領域でのAIエージェントの活用です。特に、日々更新される脆弱性や攻撃手法への対応では、SREやDevSecOpsチームが次のような作業を繰り返し行う必要があります。

 

・    自社環境が脆弱かどうかのチェック

・    影響範囲の把握

・    すでに攻撃を受けていないかの確認

 

これらの作業には時間も労力もかかり、恒常的な負担となっています。

 

Dynatrace IntelligenceのAIエージェントは、このプロセスを次のように自動化します。

 

・    新しい脅威情報を検知し、自社環境の脆弱性を評価

・    影響がある場合はチームへ通知

・    同時に実際の攻撃が発生していないかを自動チェック

・    攻撃が確認された場合、影響範囲を自動で調査

・    監視データとセキュリティデータを組み合わせて対応方針を提示

・    修正コードを提案する別エージェントと連携して改修を支援

 

こうした一連のプロセスをAIが代行することで、チームが膨大な調査に追われる従来の問題が大きく解消されます。

 

ここで紹介された事例は、Dynatrace Intelligenceが各チームの業務負荷を大きく軽減し、運用効率を高める役割を担っていることを示していました。また、こうした成果から、Dynatraceが掲げる自律運用のビジョンが実装段階へと前進していることが分かります。


 

まとめ

今回のPerform 2026は、Dynatraceが自律運用(Autonomous Operations)に向けたビジョンをより明確に打ち出したイベントだったと感じています。


特に、オブザーバビリティをAIの判断品質を支える基盤として再定義していた点は、今後の運用モデルを考えるうえで重要な視点になると感じました。今回の発表内容は、この再定義を出発点として、自律運用をどのように具体化していくのかを示すものでした。

 

次回、「#79 Dynatrace Perform 2026②:Dynatrace Intelligence」をお届けしますので、ぜひご覧ください!

 

関連リンク:
https://www.dynatrace.com/news/blog/dynatrace-intelligence-at-the-core-of-autonomous-operations/

 

#78 Dynatrace Perform 2026①:Dynatraceが示す自律運用への新たな方向性について、は以上となります。 


お読みいただきありがとうございました! 

 

※記事執筆時 Dynatrace SaaS Version:1.330