DynatraceTips

#79 Dynatrace Perform 2026②:Dynatrace Intelligenceを支える基盤と機能について

作成者: 中村(IIMサポートチーム)|Feb 13, 2026 5:50:00 AM

 

 

 

 

皆さまこんにちは、IIMサポートチームです。  
 
このブログではDynatraceのTips等、
気軽に読めて皆さまのお役に立てるようなコンテンツを配信しています。
 
*文中、斜体になっている単語はDynatrace画面上/ドキュメント内で使用される用語となります
 例)ServiceHost など
*青色の色掛部分は操作対象のボタンを表しています

 

 

今回もDynatrace Perform 2026 がテーマです。
2026年1月26日から1月29日までの4日間、米国ラスベガスでDynatrace最大規模のイベント「Perform 2026」が開催されました。
イベントでは、最新技術の発表やユーザー事例の紹介、技術者とのハンズオンセッションまで、多彩なプログラムが用意され、多くの参加者にとって新しい気づきと学びを得る機会となりました。
Dynatrace Perform2026の参加レポートを4回に渡ってお届けします。
※定期更新とは異なるスケジュールで公開しています。


1.Dynatrace Perform 2026①:Dynatraceが示す自律型運用への新たな方向性について
2.Dynatrace Perform 2026②:Dynatrace Intelligenceを支える基盤と機能について
3.Dynatrace Perform 2026③:Observabilityは“AIの前提”へ ~ 現地で感じた世界の運用トレンド~
4.Dynatrace Perform 2026④:SNOW×Dynatraceが描く未来

前回の記事#78では、Dynatraceの今後の展望とDynatrace Intelligenceのユースケースをご紹介しました。
今回は第2弾として、前回ご紹介したDynatrace Intelligenceを支える基盤と機能についてご説明します。

 

 

概要Dynatrace Intelligence

Dynatrace Intelligenceは、単なるAIOpsの機能強化・拡張ではなく、Dynatrace全体を統括する「AI ベースのオペレーション OS(Agentic Operations System)」として紹介されました。
これまでのように、観測データを収集して問題を検知するだけでなく、問題が発生する前に予測し、必要に応じて自律的に対処し、サービスの安定性を人手を介さず維持することを目指した中枢エンジンです。


これを実現するための鍵となるのが以下の3つです。

  • Smartscape(因果関係の把握)

    Dynatrace が得意とする、システム間のつながりや依存関係を理解する仕組み。

     

  • Grailデータレイクハウス(コンテキストデータを保持した観測データ)

    大量の観測データをコンテキストデータとして保持することで、精度の高い分析や推論が可能。

     

  • 信頼性の高い AI(2つの役割で構成)

     

    • MANAGEMENT(Operator Agent

      エージェントを統率し、実行ルールや制御範囲を含めた全体の統制を担うレイヤー

       

    • DETERMINISTIC(Root Cause/Analytics/Forecasting

      原因分析・洞察・予測を行い、“信頼できる答え” を作り出すレイヤー

       

 

これらが組み合わさることで、Dynatrace Intelligenceは 自律的で予測的なオペレーションを実現します。

 

 

Dynatrace Intelligenceの根幹をなすAIには以下の3つの役割があります。

 

  • Root Cause AI

    膨大な依存関係から原因を数秒で特定。従来のようにログやメトリクスを目視で突き合わせる作業を減らします。

     

  • Analytics AI

    ログ・トレース・メトリクス・ビジネスイベントといったすべてのデータをAIが活用しやすい文脈付きデータに整理し、必要な情報だけを抽出します。

     

  • Forecasting AI

    今の状況だけでなく、未来の負荷・障害兆候・異常傾向を予測し、問題が起きる前に対策の判断材料を提示します。

     

 

これらが組み合わさることでDynatrace Intelligenceは、「検知→推論→判断→行動→検証」の一連の流れをAI自身が実行できるようになります。

さらにDynatrace Intelligenceは「行動するAI(Agentic AI)」を内包しており、推測ではなく事実に基づく判断(deterministic)によって自律実行(agentic)を安全に進められます。


 

Domain Agents - 自律実行を担う“実働AIエージェント”

Domain Agentsは、SRE/Development/Securityなど役割ごとに最適化された“実動エージェント”です。

 

Dynatrace Intelligenceの判断を受けて、調査→影響評価→修復→検証といったマルチステップを短時間で遂行し、answers(結果)をoutcomes(改善)に変える役割を担います。

 

エージェントの連携はAgentic Workflowsで安全に手順化でき、外部実行はEcosystem Agent Interactions(ServiceNow/GitHub/AWS/Atlassian など)から確実に実施できます。

 

 

Assist Agents - ユーザーの作業を支援する“AIコパイロット”

Assist AgentsはDynatraceを利用するユーザー全員にとっての “AI の相棒” を提供するような存在で、画面の文脈を理解しながら最適な支援を行います。

 

たとえば、あるサービスの遅延を見ているときには背景にあるトレースを自動で探し、関係するログを整理し、原因候補を数秒で要約します。
これまでは運用担当者がトレース→ログ→メトリクス→ビジネス影響と画面を行き来した調査が、自然言語で質問するだけで完了します。

「このAPIの遅延の原因は?」、「何人のユーザーに影響?」、「改善するにはどうすべき?」と聞けば、
必要な情報の抽出、DQLクエリの生成、関連データの照合、根拠の提示、アクション案の提示といった一連の作業をすべてAssist Agentsが担います。

 

さらに、影響範囲の調査/原因候補の特定/修正案の提示/レポート作成/ワークフロー生成といった複数ステップの作業も自動化できます。

 

Assist Agentsを活用すると、Dynatraceの使い方を覚えなくても、AIを通して自然に使いこなせることができるようになります。
知識格差も経験差も吸収してくれるため、これからDynatraceを使い始めるチームでも、高いスキルを持ったチームと同じレベルで運用をまわすことができます。

 

 

まとめ

 

Dynatrace Intelligenceは、決定論的AI(Deterministic AI)とエージェント型AI(Agentic AI)を組み合わせ、「観測→原因特定→影響評価→修復→検証」を一体的に運用できるAIオペレーション基盤です。
Domain Agentsは現場タスクを“結果が出るところまで”実行し、Assist Agentsは自然言語の入口として要約・推奨・自動化をつなぎます。

前回(#78)でご紹介したユースケースは、この基盤の上で 「根拠のある判断」と「安全な自律実行」 を両立できるようになったことで、実務に耐える形で再現・拡張が可能になりました。

 

次回、「#80 Dynatrace Perform 2026③:Observabilityは“AIの前提”へ ~ 現地で感じた世界の運用トレンド~」をお届けしますので、ぜひご覧ください!

 

#79 Dynatrace Perform 2026②:Dynatrace Intelligenceを支える基盤と機能について、は以上となります。 


お読みいただきありがとうございました! 

 

※記事執筆時 Dynatrace SaaS Version:1.330