性能管理ソフトウェア ES/1 NEOシリーズでのパフォーマンス管理やIIMのコンサルティング実績にもとづいた、パフォーマンス管理のエッセンスや技術情報、導入事例などの情報をご紹介します。

【ES/1 NEO MFシリーズ活用事例】T&D情報システム株式会社様

2015/01/21掲載

今月は、T&D情報システム株式会社様でのES/1 NEO MFシリーズ活用事例をご紹介いたします。
T&D情報システム株式会社様は、T&D保険グループのIT会社として、グループ各社の情報システムの開発、保守、運用を担っておられます。

今回は、先日の弊社ユーザ総会「COMPUS 2014」にてご発表いただきました、「ES/1を利用した月次報告書の自動化とコスト削減への取り組み」についてご紹介いたします。

 

ES/1を利用した月次報告書の自動化とコスト削減への取り組み

当グループの中核生保であるT&Dフィナンシャル生命(以下:TDF生命)向けシステムでのES/1活用事例を2つご紹介いたします。

①月次報告書の自動化によるコスト削減事例
これまで外部要員が実施していたシステム稼働状況監視業務をES/1で自動化したことにより、コストのスリム化を実現

②メインフレーム更改時の評価分析事例
メインフレーム更改に先立ち、IIM社に分析していただいた結果、プロセッサ使用率を適正化

具体的な取り組み内容に入る前に、システム概要をご説明します。

 

システム概要

TDF生命のオンラインサービスには、個人保険旧システム、銀行窓販システムの大きく2系統あります。個人保険旧システムは、主に社内向けにサービス提供を行っており、銀行窓販システムは、WEBインタフェースを介してご契約者、代理店へ各種サービス提供を行っております。

データベースは2系統ともメインフレーム上にあり、オンライン終了後に夜間バッチを稼働させています。オンライン終了時刻は、ご契約者向け、代理店向け、社内向けと終了時刻が異なり、それぞれのオンラインサービス終了毎にオンラインバッチを稼働させています。またオンライン利用が減少する昼時間帯に日中バッチを稼働させ、負荷の平準化を図っています。

ハードウェアは日立AP8800Eを5つに論理分割し、TDF生命システムとグループ他社システムとで共同利用しています。


<図1:メインフレーム構成>

各論理区画はCPUの変動共用方式を採用し、ある論理区画の負荷が高まった際に、他の論理区画の空きCPUリソースが自動的に割り当てられるため、人手を介さずに資源の有効活用が図れる仕組みとなっています。またアクセラレートプロセッサの搭載により、MTやLTO等の処理負荷を移すことができ、命令プロセッサを業務処理に集中させることができるようになっております。

 

システム稼働状況監視業務

月次報告は、稼働状況把握やサービスレベルの遵守、リソース負荷の平準化を目的とし、下記3点を報告しています。
【月次報告内容】

  1. メインフレームの稼働ログを集計し、閾値を用いて評価レポートを作成、報告
  2. 評価中にインシデントを見つけた場合は、直ぐに調査し調査結果を含めて報告
  3. システム運用のサービスレベル管理状況報告書を作成し、当社経営層とTDF生命へ報告

【管理項目】

  • メインフレーム全体:CPU/メモリー/CSA/SQA/チャネル使用率、オペミス発生回数など
  • オンライン:トランザクション件数、平均応答時間、障害時通知時間、障害原因調査時間など
  • バッチ:バッチ処理の平均終了時刻、帳票出力ページ数、帳票出力繰越数など

 

ES/1活用事例~コスト削減~

コストのスリム化を図るために内製化が可能な業務を洗い出した結果、稼働状況レポートの作成作業(月次報告内容1)が改善できると判断しました。

【背景】
稼働状況レポートはこれまで外部要員に委託し、SAR/Dおよびジャーナル分析ツールをもとにES/1とExcel VBAで集計、分析を実施していました。

【ES/1活用による効果】
これまでスポット的な調査にしか使用していなかったES/1の利用範囲を拡大し、集計、分析作業を自動化することで外部要員費用(数百万/年)を削減することができました。


<図2:稼働状況レポートの自動化>

一例として、報告時に使用しているES/1グラフをご紹介します。
図3は、全ての論理区画のCPU使用率を積み上げたグラフです。1日を日中と夜間に分け、日中の平均を日別にレポートしています。業務特性を考慮し、日中は9時から17時、夜間は19時から26時に分類しています。


<図3:CPU平均使用率グラフ>

図4は、CPU使用率を日別と時間別に等高線で表したグラフです。赤が負荷の高い部分を表しており、昼の時間帯や社内向けオンラインが終わる時間帯、代理店オンラインが終わる時間帯が赤くなっています。その他にも様々なグラフを使用していますが、このグラフが最も見やすくインパクトもあり、社内でも評判が高いです。


<図4:CPU使用率等高線グラフ>

また、稼働状況レポートの自動化以外にも、コストのスリム化を図るために、ジャーナル集計方法の変更を行いました。これまでオンライン稼働状況分析用および稼働状況レポートの入力データとして、性能評価支援プログラム(XDM/PAF)を使用してジャーナルを集計していましたが、自社製のジャーナル集計システムの開発を進め、XDM/PAFを解約することができました。これにより、年間数百万円を削減できました。

 

ES/1活用事例~評価分析~

平成26年1月のメインフレーム更改に先立ち、CPU使用率を適正化するためにIIM社に分析を依頼しました。分析結果から、現状よりもCPUの必要能力を下げられるという事が分かりました。また、IIM社の報告書は「大変わかりやすい」と社内で好評でした。

【分析内容】
まず年間のトレンドを可視化しピーク日を特定しました。ピーク日は5月6日でした(図5)。


<図5:マシン更改前のトレンド分析>

次に、ピーク日のCPU使用率リミットを下げたらどうなるのかという予測を行ったところ、バッチの終了時刻が1時間延びる事が分かりました(図6)。


<図6:リミットを下げた際の予測>

この対策として、ホストタスク全体のプライオリティおよびバッチ処理のプライオリティを「稼働時刻を変更できないクリティカルジョブを優先する」という設定に変更しテストを実施したところ、バッチ全体の処理時間の短縮が図れることが分かりました。そのため、リミットを下げても問題ないとの結論に至りました。