ES/1 Shelty Tips

#59 SQL詳細の丸め込みができるようになりました

作成者: IIM Sheltyサポートチーム|Dec 14, 2025 11:00:59 PM
 

 

こんにちは。ES/1 Shelty担当の田中です。
今回はV3.1.0でリリースされた、「SQL詳細丸め込み」機能についてご紹介いたします。

 

ES/1 SheltyのSQL分析とは?

  1. ES/1 Sheltyでは、「メソッドツリー」画面や「SQL詳細」画面で実行されたSQLの詳細を確認できます。
    これにより、応答時間の長いトランザクションでどのSQLが呼び出されているかを把握でき、トランザクションの調査・分析に役立ちます。

    SQL分析に関連する過去のShelty Tipsの記事もぜひご覧ください。
    #03 SQLバインド変数が表示できるようになりました
    #10 SQL分析機能をリリースします
  2.  

なぜ「SQL詳細丸め込み」が必要なのか?

  1. V3.0.1以前では、計測対象SQLに含まれるidやクエリ本文などのユニークな識別子がそのまま取得されていました。その結果、Shelty Manager内部のInfluxDBのデータシリーズ数(データの組み合わせの種類)が肥大化し、UI画面の描画が遅延するなど、Shelty Managerの動作が不安定になることがありました。

    V3.1.0で追加された「SQL詳細丸め込み」を設定することで、SQL詳細のクエリ文字列をパターン化して丸め込みます。これにより、ユニークな識別子を取得せずにパターン化するため、データシリーズ数の肥大化を防止し、UI画面の描画速度向上が見込めます。

 

条件と設定方法

条件

  • Java Agent または .NET Agent でSQL詳細を取得していること。
  1.  
  2. 設定方法

  3. 計測対象SQLに含まれるidやクエリ本文などのユニークな識別子の位置を設定し、設定値表記へ置換することで丸め込みを行います。
  4. なお、設定反映後に取り込まれたデータからSQLの変換が適用されます。

 

 

1. メニュー>「導入設定」を選択し、「導入設定 INSIDX00」画面に遷移する
2. 「Agentパラメータ設定」>「トランザクション取得設定」>「SQL詳細丸め込み」を選択する
3. 「SQL詳細丸め込み DPLSQL01」画面の「SQL丸め込み設定」に変換後のSQLパターンを記載する
  • SQLのユニーク部分をプレースホルダ表現{}で指定します。
  • 対象SQLは改行を含めず、1行で記述してください。

 

 
  • ただし、対象Agentにおいて「Agent導入 DPLAGT01」画面で、SQL計測の「SQLコメントを取り除く」を有効にしている場合、ブロックコメント以外を置換する定義は、コメントが存在しない状態となっているため利用できません。

 

 


4. 「変換テスト対象SQL」に実際に丸め込みたいSQLを記載する
5. 「変換テスト実行」を押下する
6. 「テスト結果」に表示される変換後のSQLを確認する
7. 問題なければ、3. で設定した「SQL丸め込み設定」を「保存」する

 

注意点

  • 本設定は全システムに一括で反映されます。
  • 設定反映後に取り込まれたデータからSQLの変換が適用されます。
  • パターンは1行につき1定義です。複数行で記載されているSQLは、1行にまとめて定義してください。
  • 複数設定に合致する場合、先に定義された設定が優先されます。
  • シングルクォートで指定された文字リテラル(例:'使用率'や'usage’など)は、既存の置換機能により「?」に置換されます。
  • 置換したSQLとして取り込まれた期間のデータは、設定を削除しても元のSQLに戻すことはできません。

 

最後に

これまでシステムの特性によりURLやSQLの種類が多くなる環境では、InfluxDBのデータシリーズ数が肥大化し、Shelty Managerの運用に影響することがありました。そのため、SQL詳細の取得を無効化したり、一部の画面で表示期間を短縮するなど、ご不便をおかけするケースがありました。

既存の「URLの丸め込み」設定に加え、今回、V3.1.0で「SQL詳細丸め込み」機能が追加されたことで、システム稼働分析の利便性と、Shelty Manager運用の安定性の両立が可能になりました。

今後もES/1 Sheltyをより使いやすい製品へと改善してまいります。ご要望やご意見などございましたら、担当SEまでお知らせください。

 

 

 
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