ES/1 Shelty Tips

#76 SAPの性能データが収集できるようになりました!

作成者: IIM Sheltyサポートチーム|Sep 3, 2026, 11:00:00 PM
 

 

こんにちは。ES/1 Shelty担当の乾です。
ES/1 Shelty 3.3.0では、SAPの性能データの取得に対応しましたのでご紹介します。

 

SAPの2027年問題とは?

  1. SAPは、企業の基幹業務を統合管理するERPパッケージとして、世界中の多くの企業で利用されています。
    その中でも、SAP ERP 6.0は、SAPが提供していたオンプレミス向けERPの代表的な製品です。
  2. ただしSAP ERP 6.0の標準保守は2027年末で終了予定となっています。
  3.  
  4. そのため多くの企業では、後継製品であるSAP S/4HANAへの移行が進められています。
  5.  移行後も安定した性能を維持するためには、継続的な性能情報の取得と管理が重要です。 
  6.  

ES/1 SheltyでのSAP対応

ES/1 Shelty 3.3.0では、SAP環境における性能情報の収集・可視化に対応しました。
SAPトランザクションの応答時間やワークプロセスの利用状況、SAP HANA DBの性能情報を統合的に可視化することで、性能劣化の予兆検知や問題発生時の原因分析を支援します。

以下のSAPデータを統合ダッシュボード(INTDASH1)やリストビュー(LISTVW01)で可視化できます。またメソッドツリーから、個々のトランザクションの応答時間の内訳を見ることができます。
 

統合ダッシュボードやリストビューでの可視化

統合ダッシュボードやリストビューでは下記のカテゴリを追加して、SAPの性能データが見られるようになっています。

 

◆統合ダッシュボード(INTDASH1)
SAP TRX情報(インスタンス単位)
SAP TRX情報(タスクタイプ単位)
SAP TRX情報(プログラム単位)
SAP TRX情報(プログラム単位_特定タスクタイプ)
SAP TRX情報(WP単位)
SAP メモリ
SAP バッファ
SAP カーソルキャッシュ/テーブルバッファ
SAP HANA DB性能情報(ホスト単位)
SAP HANA DB性能情報(ポート単位)

 

◆リストビュー(LISTVW01)
SAP TRX(URL単位)
SAP TRX(明細)
SAP 監査ログ

 

アプリの詳細情報の可視化

APサーバのトランザクションの詳細を分析できるのと同様に、「URL一覧(MONAPP02)」や「トランザクション一覧(MONAPP03)」、「メソッドツリー」にて、SAPのトランザクションの応答時間やその内訳を可視化できます。

 

利用シーン

SAPの性能情報を監視することによって、SAPの性能劣化や応答時間の悪化の傾向をユーザが気づく前に検知できます。
またレスポンスの遅延が生じた際に、どの箇所で遅延が生じたのかをすぐに特定できます。
下記にどのような項目を監視すべきか、利用シーンをご紹介します。

 

シーン① Dialogタスクの応答時間の監視

SAPで実行される処理はDialogやBackground、RFCなどのタスクタイプに分類されます。
その中でも、ユーザーが画面を操作した際に実行されるのが「Dialogタスク」です。
 
Dialogタスクは、ユーザーの画面操作に応じて実行されるオンライン処理です。
ユーザーが直接体感する処理であるため、その応答時間は業務効率やユーザー満足度に大きく影響します。
そのためDialogタスクに絞って応答時間の推移を監視するのは、SAPを安定的に運用するうえで大事なのです。
 
ES/1 Sheltyでは下記画面のように、統合ダッシュボードでDialogタスクに絞った応答時間の分布や平均応答時間の推移を見ることができます。
 
 
 
 
またカテゴリに「SAP TRX情報(プログラム単位_特定タスクタイプ)」を選択すると、Dialogタスクに絞ったプログラム別の応答時間を可視化できる統計ビューを作成できます。
この統計ビューを見れば、Dialogタスクのなかでどのプログラムの平均応答時間が長いのかをすぐに特定出来ます
 
 
 
 
DialogタスクがSAP GUIからの操作を処理するのに対し、HTTPSタスクはSAP FioriなどWebブラウザ経由のアクセスを処理します。
近年はSAP S/4HANA移行に伴いFioriの利用が増えているため、DialogタスクだけでなくHTTPSタスクの性能監視も重要になっています。
ES/1 Sheltyでは、HTTPSタスクにつきましても、Dialogタスクと同様の分析が可能です。
 
 

シーン② 合計WP待ち時間、WP待ち時間の長いTRX件数の監視

 
 
 
 
SAPの応答時間は、上記の図のようにWP待ち時間や、プログラムロード時間等、複数の処理時間の合計で構成されています。 
この中でも特にWP待ち時間の監視は運用するうえで重要です。
 
WP待ち時間とは、処理要求に対して利用可能なワークプロセスが確保できるまで待機した時間です。
WP待ち時間が増加している場合、ワークプロセス数の不足やシステム負荷の増加が発生している可能性があります。
 
ES/1 Sheltyでは下記画面のように、統合ダッシュボードでWP待ち1秒以上のトランザクション件数や合計WP待ち時間の推移を可視化することができます
 
 
 
 
またWP単位でWP待ち1秒以上のトランザクション件数と合計WP待ち時間を統計ビューで可視化できます。
そのため合計WP待ち時間が長い時間帯にどのWPの待ち時間が長かったのかをすぐに特定できます。
 
 
 
 
このような指標を監視することによって、ワークプロセスの逼迫状況を把握し、SAPの性能低下につながる兆候を早期に検知できます。

 

シーン③ 応答時間の遅いトランザクションのドリルダウン

応答時間の遅いトランザクションが発生した場合、ES/1 Sheltyでは、「URL一覧」>「トランザクション詳細」より、該当トランザクションのどこで遅延が発生したのかを深堀して調査することができます。下記画面のように、メソッドツリーで応答時間の内訳を見ることができるので、遅いトランザクションが発生した際の原因調査をスムーズに行えます。
 
 
 
 

導入時の注意点

ES/1 SheltyでSAPのデータを収集するには、いくつか注意点があります。

 

インストール時の注意点

 Shelty Managerのインストール時、バージョンアップ時には、「--sap」オプションを付与してインストールを行っていただく必要があります。

 

例1)Shelty ManagerのIPアドレスが172.16.111.100の環境に新規インストールを行う場合 

 ./shelty-manager-install.sh 172.16.111.100 install --sap

 

例2)Shelty ManagerのIPアドレスが172.16.111.100の環境にバージョンアップインストールを行う場合  

 ./shelty-manager-install.sh 172.16.111.100 update --sap

 
--sap を指定してインストールした場合、その設定は保持されます。バージョンアップ毎に再度 --sap を指定する必要はありません。 

 

ABAPプログラムの移送時の注意点

 ES/1 Sheltyで使用するデータ取得用ABAPプログラム は、クライアント非依存のため、CI(セントラルインスタンス)サーバに導入する必要があります。詳しくはマニュアルに記載しているため、「インストール・バージョンアップ編」の「ABAPプログラムの移送方法」を参照してください。 

 

データ集約の有効化

 SAPの統計データを統合ダッシュボード等のグラフに表示させるために、必要なデータ集約を有効にしていただく必要があります。
必要に応じて、「運用管理(OPEIDX00)」>「データ集約実行管理(TSKLOG01)」の画面から、データを可視化したいカテゴリの集約タスクをオンにしてください。
 
 
 
 
集約をONにすると、Managerサーバの消費リソースやInfluxDBのシリーズ数が増加する可能性があります。
そのため運用要件に応じて必要な集約のみを有効化してください。 
詳しくはマニュアル「設定・運用編」の「SAPデータの集約設定」を参照してください。 

 

最後に

今回は、3.3.0で追加されたSAPの性能情報のデータ収集の機能についてご紹介しました。
SAP環境の現状把握やレスポンス遅延原因の分析、性能監視などのご支援が可能です。
ご興味がございましたら、どうぞお気軽に担当SEまでご連絡ください。

 

ES/1 Sheltyは、お客様のシステム運用の効率化と安定化に向けて、今後も積極的な機能拡張を行ってまいります。
ぜひご活用いただけますと幸いです。

 

 
本文中に記載されている製品名、サービス名は、各社の登録商標または商標です。