2025.09.08

#72 サービスレベル目標(SLO)とは?

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    皆さまこんにちは、IIMサポートチームです。  
     
    このブログではDynatraceのTips等、
    気軽に読めて皆さまのお役に立てるようなコンテンツを配信しています。
     
    *文中、斜体になっている単語はDynatrace画面上/ドキュメント内で使用される用語となります
     例)ServiceHost など
    *青色の色掛部分は操作対象のボタンを表しています

     

    今回は サービスレベル目標(SLO) がテーマです。
    DevOpsやクラウド運用に欠かせない「サービスレベル目標」ですが、Dynatraceでどのように確認したり設定できるのかについてご紹介いたします!

     

    サービスレベル目標(SLO)とは?

    サービスレベル目標(Service-Level Objective/SLO)は、サービスの信頼性やパフォーマンスを定量的に測定・管理するための目標値です。
    サービスレベル契約(Service-Level Agreement/SLA)やサービスレベル指標(Service-Level Indicator/SLI)、エラーバジェットと組み合わせて、安定したサービス提供を支える重要な指標です。 
      
    用語 意味

    SLA

     

    ベンダーと顧客間の契約。

    サービス品質を保証し、違反時にはペナルティが発生することも。

    SLO

     

    SLA内で定められた具体的な目標値。

    例:ログインサービスの可用性99.95%

    SLI

    実際のサービス品質を示す指標。

    例:応答時間、成功率など 

    エラーバジェット

    (Error Budgets)

    サービスの許容される信頼性の範囲。

    例:SLOが99.5%なら、0.5%がエラーバジェット

    バーンレート

    (Burn Rate

    エラーバジェットの消費速度。

    バーンレート=1がSLOの定められた期間にエラーバジェットを消費しきる状態を指す。

     

    例えば、SLOが「99.9%の稼働率」の場合、エラーバジェットは「0.01%」となり、1ヶ月(30日)で約43分の障害が許容されるということになります。

    また、このエラーバジェットと合わせて理解しておきたいのが、「バーンレート(Burn Rate)」です。バーンレートは、ラーバジェットの消費速度のことで、バーンレート=1がSLOの定められた期間にエラーバジェットを消費しきる状態を指します。

    この場合のバーンレート=1は、1ヶ月(30日)後にエラーバジェットが0.01%に達する=約43分の障害発生を指し、
    バーンレート=2は、エラーバジェット0.01の消費速度が2倍であることを指すので、15日後に約43分の障害発生を指すことになります。

    裏を返すと、バーンレートが常に1以下であれば、エラーバジェットを消費しきることはありません。

     

     SLOモニタリング:エラーバジェットやバーンレートを組み合わせて考える

    「あるサービスが1分間に5回以上エラーしたら検知する」というような閾値管理をしている場合、エラーバジェットの考え方を組み合わせることで、「1分間にエラーが5回未満の状態が、1日のうち何%達成できているのか」というような達成度合いを測ることができます。
    達成度100%だったものが、99.99%→99.98%→99.97%と徐々に目標達成度が低下してきている状態を検知することができます。

    さらに、バーンレートの考え方を組み合わせると、目標達成度100%→99.97%に1ヶ月かけて低下したのか、1日で急激に低下したのかという状態も検知できるようになります。

     

     

    DynatraceのSLOs

    Dynatraceでは、テンプレートを使って簡単にSLOを設定したり、達成度合いをけ表示することで、視覚的にも容易にすることができます。

    また、新UIではSLOs用のアプリが提供されています。
    SLOsを設定するとSLO用のメトリックが作成されるため、これらのメトリックを利用することで、ダッシュボードにグラフを表示したり、アラートを設定することもできます。

    •  

    ClassicUIの場合

    [Automation] > [Service-Level Objectives]から、設定や確認をすることができます。

     

    #72_OldSLO-1
    #72_OldSLO-1

    #72-Service Level Objective概要ページ

     

    新UIのアプリの場合

    [Apps] > [Service-Level Objectives]から、設定や確認をすることができます。

     

    #72_NewSLO
    #72_NewSLO

    #72-Service Level Objectivesアプリ

     

     

    SLOは、信頼性の高いサービス提供のための「羅針盤」です。
    Dynatrace
    を活用すれば、SLOの設定・確認をスムーズに行うことができます。
    ぜひ、SLOを運用に取り入れて、安定したサービス提供を目指してみてください!  

     

    関連リンク:  

    Service-Level Objectives Classic basics — Dynatrace Docs

    Service-Level Objectives — Dynatrace Docs

     
    #72 サービスレベル目標(SLO)とは? については、以上となります。 
    お読みいただきありがとうございました! 

     
    ※記事執筆時 Dynatrace SaaS Version:1.321
     

     

     

     

     

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    執筆者

    S.N. 

    営業技術本部 カスタマーサクセス統括部 Dynatrace技術サービス部 部長

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