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皆さまこんにちは、IIMサポートチームです。
このブログではDynatraceのTips等、
気軽に読めて皆さまのお役に立てるようなコンテンツを配信しています。
*文中、斜体になっている単語はDynatrace画面上/ドキュメント内で使用される用語となります
例)Service、Host など
*青色の色掛部分は操作対象のボタンを表しています
Dynatraceは、ここ数年でGrailでのデータ管理や新UI/アプリ提供、ライセンス体系の変更(DPSライセンス)等、目まぐるしく状況が変わってきています。
単なる情報表示だけではなく、リアルタイム性、インタラクティブ性、そしてAI活用による予測・洞察機能を備え、ユーザーが直感的にデータを理解し、迅速な意思決定を実現しやすくするための機能を提供しています。
そこで、今回からしばらくの間、最新機能のご紹介をさせていただきます。
今回のテーマは、Dashboards/Notebooksです。
従来のダッシュボード(Dashboards Classic)が改良され、柔軟かつ直観的な視覚表現やAI利用による予測の表示ができるようになったり、ダッシュボードを起点としたシームレスなドリルダウンや各アプリとのコラボレーションにより、効果的なデータビジュアライゼーションを提供できるようになったりしています。
DashboardsおよびNotebooksの機能強化について
DashboardsとNotebooksでは、以下の機能が新たに利用可能となり、より柔軟かつ効率的なデータ活用が可能になりました。
・多様なデータソースへの対応
メトリクス、ログ、トレース、イベントなど、複数のデータタイプを統合的に扱えます。
・柔軟な表示形式
タイル形式により、グラフ、テーブル、チャートなど、目的に応じた可視化が可能です。
予測線の表示など、高度なグラフ表現にも対応しています。
・高度なカスタマイズ
Dynatrace Query Language(DQL)を活用することで、フィルターやデータ結合など、複雑な分析要件にも柔軟に対応できます。


#73-Dashboards/Notebooksイメージ①


#73-Dashboards/Notebooksイメージ②
DashboardsとNotebooksの違い
DashboardsとNotebooksの画面遷移手順は以下の通りです。
Dashboards :[Apps] > [Dashboards]
Notebooks:[Apps] > [Notebooks]
DashboardsとNotebooksには、更新タイミングやコスト面で明確な違いがあります。
特にスキャンコストの違いは、機能的な仕組みの差に起因しています。
・Dashboards
クエリのみを保存しており、表示のたびにクエリが実行されるため、リアルタイムでの自動更新が可能ですが、
その都度スキャンコストが発生します。モニタリング用途に適しています。
なお、Dashboardsでは自動更新をオフにする設定も可能なので、必要に応じてコストを抑える運用もできます。
・Notebooks
クエリだけでなくその結果データもノートブック内に保存されるため、表示時に再実行されることはなく、
手動実行の[Run]したときのみ更新・スキャンコストが発生します。分析やレポート作成に向いています。
機能 |
Dashboards |
Notebooks |
更新タイミング |
表示時にリアルタイム更新、 設定に基づく定期的な自動更新 |
手動実行[Run]時のみ更新 |
主な用途 |
モニタリング、リアルタイム可視化 |
分析、レポート作成 |
コスト影響 |
表示のたびにスキャンコストが発生 |
実行時のみスキャンコストが発生 |
#73-DashboardsとNotebooksの違い


#73-Dashboardsの自動更新をオフにする設定
- DashboardsとNotebooksの推奨方針
リアルタイム性が求められるダッシュボード用途にはDashboards、コスト効率や分析精度を重視するレポート用途には
Notebooksの使用を推奨します。特に、障害調査時にログやイベントデータを参照して共有するような場合は、
スキャンコストの観点からNotebooksで結果を参照するような運用が望ましいです。
- Notebooksの効率的な活用
ログやイベントデータを用いた分析には、Notebooksの利用が推奨されます。
APIを活用することで、日次・月次などの定期的な自動更新が可能です。
- 利用時の注意点
Dashboardsは表示のたびにデータをスキャンするため、ログやイベントデータを扱う場合はスキャンコストが
かかることにご注意ください。
特に、共有されたユーザーがDashboardsを開くたびにスキャンが発生するため、利用頻度が高い場合はコストが増加します。
AI活用による予測・洞察機能
Notebooksで活用できるDynatraceのForecastは、システムのメトリクスやトラフィックの傾向をもとに、将来の動作や負荷を予測する機能です。
DynatraceのAI エンジンであるDavis AIが過去のデータを分析し、季節性や変動パターンを考慮して将来の数値を推定します。
Notebooks活用の一環として、ぜひ Forecast機能をご活用ください。
作成したグラフの[Options] > [Davis AI]トグルを有効にし、Analyzersから[Forecast]を選択します。
その後、[▶実行]をクリックしてください。


#73-Forecast機能を有効にしたグラフの例
旧ダッシュボードからのアップグレード方法
旧ダッシュボードのアップグレード方法は以下の通りです。


#73-Dashboards Classicからアップグレードする手順
詳細については、Dashboards ClassicからDashboardsへのアップグレードを参照してください。
Upgrade Dashboards Classic to Dashboards
まとめ
新しいDashboardsとNotebooksは、リアルタイム性やAIによる予測表示、柔軟な可視化・分析機能を備え、より直感的なデータ活用を可能にしています。
Davis CoPilotの支援により、誰でも簡単に高度な分析ができる環境が整っており、業務の効率化にもつながります。
目的に応じた使い分けとコスト管理を意識することで、よりスマートな運用が実現できます。
次回も、引き続きDynatraceの最新機能の情報をお届けしてまいります。
関連リンク:
#73 新Dashboards/Notebooksのご紹介については、以上となります。
お読みいただきありがとうございました!
※記事執筆時 Dynatrace SaaS Version:1.324
コメント一覧

執筆者
M.E.
営業技術本部 カスタマーサクセス統括部 Dynatrace技術サービス部
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