2026.06.24

#68 Agent負荷を抑えつつ性能を可視化する

 

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    こんにちは。ES/1 Shelty担当の田中です。
    本記事では、Agent負荷を抑えながら性能を可視化するための考え方として、「計測対象メソッド数の絞り込み」を含む「収集の詳細設定」について改めて整理します。
     

    はじめに

    1. 以前、Shelty Tips『#01 Agentのメソッド計測数に上限を設けました』の記事で、「計測対象メソッド数の絞り込み」をテーマに、Java/.NET Agent におけるメソッド計測負荷と、その対策についてご紹介しました。この記事では、主に以下の内容をお伝えしています。
    • Java/.NET Agentによるメソッド計測負荷の考え方
    • パッケージ指定によって計測粒度が増加した場合のリスク
    • 計測対象メソッド数を絞り込む仕組みとその目的
     
    その後ES/1 Sheltyは、継続的な改善を重ねながら機能を拡充してきました。現在のES/1 Shelty 3.2.0では、「計測対象メソッド数の絞り込み」に加え、収集対象や計測粒度をあらかじめ調整できる「収集の詳細設定」が可能となっています。
    本記事では、「計測対象メソッド数の絞り込み」という基本的な考え方を改めて振り返りつつ、「収集の詳細設定」をどのように活用すべきかについて整理します。

    今回は新機能の紹介ではなく、既存機能をどう設計・運用に活かすかを再確認することを目的としています。
     

    収集の詳細設定

    現在のES/1 Sheltyでは、「計測対象メソッド数の絞り込み」以外にも、複数の「収集の詳細設定」を行うことができます。
    これらの設定は、Agent導入時の安全装置という位置付けにとどまらず、Agent負荷を意識した運用設計を行うための基礎として、重要な役割を果たします。

    (設定方法)
    1. 左のメニュー>導入設定を選択
    2. 導入設定画面(INSIDX00)にて、Agentパラメータ設定>導入>Agent導入を選択
    3. Agent導入画面(DPLAGT01)にて、システムとクラスターをプルダウンから選択
    4. 導入Agent設定>「+」からAgentを新規追加、Agentの編集は鉛筆マークから編集を行う

     

     

    68_1
    68_1

    Agent導入画面の例

     

    各設定項目の詳細については、製品マニュアルの「Agentのインストール」内、該当ページをご参照ください。
     

    どういう判断をするか

    「収集の詳細設定」を行う際には、次の2点を意識することがポイントです。
    • 何を取るか/取らないかを選ぶ
    • 計測粒度をどう調整するかを考える

    あらかじめ設定を調整しておくことで、必要以上に細かいデータ収集を避けつつ、性能分析に必要な情報を効率よく取得することができます。
     
    ES/1 Sheltyでは、Agent負荷を抑えるために「取得しない」という判断を行える設定が複数用意されています。
    代表的なものとして、以下があります。
    • Agent導入画面(DPLAGT01)内の、業務パッケージの取得除外指定
    • トランザクション取得除外設定(DPLTEX01)

    一見すると似た設定ですが、想定している用途やAgent処理のどのタイミングで効くかが異なります。

     

     

    68_2
    68_2

    トランザクション取得除外設定と業務パッケージの取得除外指定の違い

     

     

    判断の観点まとめ

    • 計測対象を増やすための指定
      • (Java(AP+RT)の場合)業務パッケージの追加取得指定/エントリポイント追加取得指定
      • (.NET(IIS)、.NET(プロセス)の場合)取得指定

    • 計測対象を減らすための指定
      • (Java(AP+RT)の場合)業務パッケージの取得除外指定
      • (.NET(IIS)、.NET(プロセス)の場合)除外指定

    • トランザクションの識別を細かくする指定
      • (Java(AP+RT)の場合)リクエストURLに含めるキー項目定義
     
    これらの設定を組み合わせることで、Agent負荷を抑えつつ、必要な性能情報に的確にたどり着く設計が可能となります。

    なお、計測対象が増えるとデータ収集の計測コストが増加するため、ご注意ください。

     

    計測粒度の考え方について

    ES/1 Shelty 3.0.0以降では、以下のような機能拡張が行われています。
    • 分析機能・相関分析機能の強化
    • 表形式(リストビュー)による性能データの確認
     
    これらの機能は、システム全体を俯瞰しながら性能状態を把握し、問題がありそうな箇所へ段階的に掘り下げていくことを目的としています。
    そのためES/1 Sheltyでは、「すべてのメソッドを常に細かく計測する」ことよりも、「必要な粒度で、必要な情報にたどり着けること」を重視しています。「収集の詳細設定」は、その考え方を実現するための重要な手段の一つです。

     

     

    68_5
    68_5

    Java(AP+RT)の場合

     

    68_6
    68_6

    .NET(IIS)、.NET(プロセス)の場合

     

     

    よくいただくご質問として、次のようなものがあります。
     
    Q. 「計測対象メソッド数の上限」に到達すると、どこに影響が出ますか?
    A. メソッドツリーに表示される行数が制限されます。
     統合ダッシュボードのグラフや相関分析などで使用される時系列データには影響しません。

    このため、「上限に達する=分析ができなくなる」わけではありません。
    計測対象メソッド数の上限により、一部の詳細メソッドが表示されなくなる場合はありますが、ボトルネック分析や原因特定に必要な情報は取得できる設計となっています。
     

    最後に

    次のような状況が見られる場合は「収集の詳細設定」の計測粒度を見直すタイミングかもしれません。
    • アプリケーションの起動時に時間がかかる
    • メソッドツリーが想定以上に深い階層が表示されている など
     
    このような場合、「取りすぎているデータがないか」という観点で設定を確認することで、Agent負荷の軽減と安定運用につながるケースがあります。
    「計測対象メソッド数の絞り込み」を含む、「収集の詳細設定」は、単なる制約ではありません。
    安定した性能監視と分析を継続するための“設計要素”として、ぜひ自社システムの特性や運用方針に合わせてご活用いただければと思います。

    今後もES/1 Sheltyをより使いやすい製品へと改善してまいります。ご要望やご意見などございましたら、担当SEまでお知らせください。

     


     
    本文中に記載されている製品名、サービス名は、各社の登録商標または商標です。 

     

    執筆者

    C.T. 

    営業技術本部 カスタマーサクセス統括部 カスタマーサクセス部 担当課長

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